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備忘録。旅行が主な投稿になるかなぁ

嗚呼夏休み。。

本日は8/30ということで, もう夏休みも終わりますね。悲しい。今思えば, 夏休みの半分ぐらいインターンコミケに行ってました。

インターンは, 東海村日本原子力研究開発機構というところに行って, 「ガンマ線計測とその利用」っていう研究テーマでいろんな実験をさせていただいた。

メインでやってたのが, 陽電子消滅寿命測定法っていうやつ。 ちょっと難しくなるけど, 物質中の陽電子寿命スペクトルを測定して解析することで, 物質についての情報とか陽電子, ポジトロニウムの振る舞いについての情報を得る手法のこと。 陽電子寿命スペクトルは陽電子が物質中に入射した時刻(スタート)と, 陽電子が物質中の電子と対消滅した時刻(ストップ)の時間差の測定を何度も何度も(10の6乗~7乗ぐらい)繰り返して横軸を時間, 縦軸を頻度とした頻度分布のこと。

スペクトルの一例。

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陽電子の入射時刻の測定は, ナトリウム22の核ガンマ線を利用する方法が最も簡単で, ナトリウム22の原子核は陽子11個, 中性子11個からなる。安定なナトリウム23(陽子11個, 中性子12個)と比べると, 陽子が過剰な状態なので, β+崩壊して, 陽電子を放出する。

{ \displaystyle
 ^{22}Na →  ^{22}Ne^*+ e^+ + v_e
}

{ \displaystyle v_e } は電子ニュートリノ

ナトリウム22の励起状態{ \displaystyle ^{22}Ne^* } は, 3.7psの半減期基底状態に遷移するときに1.2MeVのガンマ線を放出する。このガンマ線を検出した時刻が入射時刻となる。

また, 消滅時刻は, 陽電子消滅ガンマ線の検出によって知ることができる。消滅ガンマ線とは, さきほどのβ+崩壊で発生した陽電子が物質中の電子と対消滅するときに出てくるガンマ線のこと。

粒子と反粒子をくっつけると, 粒子も反粒子も実際に消滅してしまうが, ここでもエネルギー保存則は守られているので, 両者を足したエネルギーが残る。このエネルギーは光(ガンマ線)として現れる。エネルギーの大きさは, 2ガンマ消滅(ガンマ線が2本出る消滅のこと)のとき511keVぐらいになる。

ガンマ線の検出には, シンティレータと光電子増倍管を組み合わせた, シンティレーション検出器を用いる。 シンティレータとは, 入射したガンマ線を紫外線や可視光に変換する物質。(今回は{ \displaystyle BaF_2 }という物質を用いた。)光電子増倍管は, カミオカンデとかのニュースで聞いたことがある人もいるだろうけど, 光を電気信号に変える装置のこと。 これらを組み合わせることで, ガンマ線がシンティレータに入射すると, シンティレータが発光してその光を光電子増倍管で検出して電気信号に変えることで, オシロスコープを用いて陽電子の消滅を計測することができる。

だらだらと説明してきたけど, ここから実験の一例の説明。陽電子消滅法によるアルミニウム合金中の空孔観察というやつ。

  1. 市販のアルミニウムの板(1050; 純度99.5%以上) を用意し, のこぎりなどを用いて2x2cm 程度に小さく分ける。また小さく分けたものを4枚ほど用意する。
  2. ハンマーを用いてアルミ板を叩いて延ばす。20%叩いたものと50%叩いたものを用意する。
  3. 22Na 線源を上下に20%叩いたアルミ板で挟み, シンティレーション検出器を2 台を線源から見て90 度の角度の方向に配置する。また, この状態で陽電子寿命測定を行う。またPALSfitというアプリケーションを用いて解析を行う。
  4. 50%叩いたアルミ板を用いて, 3 と同様に陽電子寿命測定を行う。
  5. 叩いたアルミ板をはんだごてを用いて, 320 ℃程度で1 時間ほど温め, そのアルミ板で3 と同様に陽電子寿命測定を行う。
  6. 50%叩いたアルミ板を用いて, 温度調節器で段階的に50, 100, 150, 180, 210, 240, 270, 300, 320 ℃と温め(15 分), それぞれについて陽電子寿命測定を行う。

結果がこんな感じ。 f:id:oyoguLO:20160830020508j:plain

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陽電子は物質に入射すると, 消滅までの間(数百ps程度)に, 陽電子の好きな原子スケールのサイトを探し回る。陽電子がサイトを見つけると, そこで消滅して, そのサイトの情報を持ったガンマ線を放出する。陽電子が特に好きなサイトは空孔欠陥と呼ばれ, そこで電子と対消滅すると, 欠陥についての情報を与えてくれる。今回の実験でハンマーで叩いたのは, この空孔欠陥を増やすためで, 欠陥が増えると陽電子と電子の対消滅が起こりにくくなり, 陽電子の平均寿命が長くなる。またはんだごてで温めたのは, 空孔欠陥を減らすためで, 熱運動によって結晶配列が整い, 欠陥が減少して平均寿命が短くなる。これは表1, 2より正しいことが分かった。

表1 の半田ごてで温めたときに, 陽電子の寿命が173.85[ps] なのに対して, 同様の方法で温めた表2 の320 ℃のときの陽電子寿命が184.4[ps], と寿命があまり短くならなかった。これは, 熱処理している時間が短かったためであると考えられる。

陽電子消滅寿命測定法以外にも, 福島県の土壌のサンプルを持ってきて, 半導体検出器でガンマ線のスペクトルを解析してどの放射能がどれぐらいの濃度で含まれているか測定したりした。こちらのほうはまた気が向けばブログに上げようと思います。

インターンシップ中, いろんな実験ができたり, 専門の研究についての話が聞けたり, 施設を案内してもらったりで本当に楽しかった。機構には夏期休暇実習生以外にも, 実習生を受け入れてくれる制度があるので, 積極的に利用していきたい。

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休日に大洗に行ってきたので, その写真を少し。

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分かりづらいけど, この写真の左下にガルパンの看板が写ってる。町境ですでにガルパンムード。すごい。

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大洗磯前神社。おみくじ引いたら大吉でした。やったね。

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劇場版でぶっ壊されたホテル。

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大洗ポートタワー。

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ポートタワー内にPanzerVorっていうレストランがあって, カレーを食した。味は普通だった。

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ポートタワーの隣にあるショッピングモールのエスカレーター。劇場版見た方なら何なのか分かりそう。

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いっつも戦車に壊される宿。

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夜は大洗の海鮮丼を食した。たしか1280円ぐらいだった気がする。これは本当に美味しかった。

あと, 偶然なことに花火大会が開催されてた。こちらはスマホのカメラでうまく撮れなかったので, 写真なし。 あんこう花火とかが上げられてて見てて面白い花火だった。

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大洗はいいぞ。

インターン

久しぶりに更新。

うちの高専では4年生の夏休みにインターンシップに行くことになっている。

(まあこれは強制ではなくて, インターン行かなかったら5年生で余分に単位を取らなければならない。)

インターンを受け入れてくれる企業がズラーッと並んだ表の中で目に入ったのが, 日本原子力研究開発機構というところで, ここに応募した。

ちなみに期間は2週間で, 場所は大洗の近くの東海村っていうところ。

研究テーマがあって, 自分は「ガンマ線計測とその利用」っていうのを志望した。
けっこうなレベルを要求されるかもしれないし, 中間テストが終わったら物理の勉強漬けになりそう。頑張ろう。

ガルパン聖地巡礼ができるからという理由で選んだ訳ではないです()

運転免許証を手に入れた

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ねんがんの めんきょしょうをてにいれたぞ!

春休みにサボらずに教習所通ってたらとっくに取れたはずなんだけど, まあ無事に取れたからヨシ。

ちなみに明石の試験場での学科試験は, 100点満点中96点だった。問題はけっこう簡単だった。

家の軽自動車の保険が35歳以上限定になってたけど, 18歳でもいけるようにしてもらったので, 明日から練習するぞ。

備忘録 : 重力波の講演会に行ってきた

神戸高専の物理の先生が重力波の研究をしていて, その講演会が神戸学園都市のUNITYで開催された。

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こんな感じのポスターを神戸市営地下鉄全駅に掲示してもらったりしていて, けっこう宣伝してた。

内容は

1, 一般相対性理論について軽く説明

2, 重力波の理論

3, 重力波の観測

4, 質疑応答

という感じ。


内容をちょっとおさらい


1, 一般相対性理論では, 物質もエネルギーも無い状態では空間は平坦だが, それらが存在するとなると空間が歪む。(スポンジに重りを乗っけたイメージ)

同じスポンジでも小さな重りと大きな重り(※重さは同じ)ではどちらが大きく歪むか→小さな重り

この歪み具合を定義すると, 重さ/大きさ となり, 数式で表すと, { \displaystyle
\frac{GM}{C^{2}R}
} となる。

これを地球で計算すると, 3のマイナス9乗ぐらいになり, あまりに小さな値なので, 我々が空間の歪みを感じることはない。

また, 太陽で計算すると, 2のマイナス6乗程度でこれでも小さい。

この { \displaystyle
\frac{GM}{C^{2}R}
} を大きくしていくと, 空間が無限遠に落ち込み, 時空の曲がりが発散し, ブラックホールができる。


2, 重力波とは, 時空の歪みが光の速度で伝播する波のこと。

最近アメリカのLIGOが直接観測に成功したというニュースで有名になった。

重力波が観測される天体現象は

中性子星などの衝突合体

中性子星の非球対称運動(星のまたたき)

超新星爆発

④初期宇宙におけるインフレーション


3, 重力波を観測するには, 検出器が必要で, 大きく分けて2種類の検出器がある。

1つは「共振型検出器」で金属だけでできており, 金属の歪みを電気信号で取り出して観測する装置。

構造が単純で扱いやすいが, 観測帯域が狭い。(共振周波数のみ)

もう1つは「干渉型検出器」で, この装置が現在の主流。

レーザー光を2方向に分けて, 反射させる。2つの波にズレが生じ, 干渉を起こすと, 重力波を観測したということ。

日本の検出器は, TAMA300とKAGRAの2つで, TAMA300は世界初の重力波検出器であるそう。

KAGRAは第2世代の検出器で, Ad LIGOやAd VIRGOと同世代である。

大型低温重力波望遠鏡とよばれ, 絶対零度付近まで鏡を冷やすことで, 熱雑音を減らすことができる。

また, 冷やすことで鏡が歪んでしまうと困るのでサファイアの鏡が使われている。

検出器を宇宙に持っていくという計画も日本やアメリカで進行中らしい。

ただ, 重力波は波長が長いので, それを捉えるためには装置を巨大にしなければならないという難点がある。



内容はこんな感じ。数式が全く出てこなくて, 素人の僕にも分かりやすい内容だった。

講演のあとに質問したいことを思いついたので, 今度の授業のときにでも聞いてみよう。

最近ハマっていること

長い春休みがやってきた。ということで, 何か始めてみようと思い立ったのが筋トレ。

 

きっかけは祖母にちょっと太ったなと言われたから。こういう些細なことでも気にしてしまう。

 

最初は本でも読もうかなと思ってたら, 学校の図書館にこんな本があったので借りてきた。

 

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この本に載ってる筋トレの方法を, 春休みに入ってから毎日続けてみたら, だいぶ体が引き締まった気がする。これからも習慣づけていきたいところ。

 

あと地元のトレーニングジムに体験で行ってみたりした。機材が揃ってて良いところだった。月謝2700円で通い放題らしいし, 親に頼んで行かせてもらおうかなぁ。

 

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夏までに腹筋割ります(宣言)。

青チャートを買った。

今まで白チャートを使ってたけど, もうちょっと難しいのが欲しいなーと思ったのでAmazonで購入。

 

Amazon Studentに入ってるので, 価格の10%のポイントがついてお得だった。

 

春休みにやりきるぞ。

 

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3/9に注文して翌日に届いたので, 日本の物流ってすげーと思った(小並)。